福島家庭裁判所 昭和48年(家)316号 審判 1973年8月31日
申立人 秋本ミヨ子(仮名)
失踪者 佐藤和男(仮名)
主文
宇都宮家庭裁判所大田原支部が昭和三六年五月二四日失踪者に対してなした失踪宣告はこれを取消す。
理由
調査の結果によると、失踪者は、昭和三六年五月二四日宇都宮家庭裁判所大田原支部で、同二七年一一月以来七年以上生死が分明でないとして、失踪の宣告を受け、該審判は当時確定したものであるところ、これと違い、現在生存し、同三三年頃から現在まで、申立人を内縁の妻とし、その関係を続けていることが認められる。
然して、内縁の妻は、失踪者の権利回復につき、法律上利害の関係を有する者と解せられるから、上記失踪宣告はこれを取消すのが相当である。
よつて、本件申立はこれを認容することとし、参与員若月可直の意見を聴き、主文の通り審判した。
(家事審判官 早坂弘)